NEWS | 2021/08/12 | 

【No.38】ガーナより

言葉に出して改めて初心に返ること

コロナ禍、毎夏の一時帰国を今年も見送りこれで2回日本の酷暑を経験することはあり ませんでした。2回酷暑を経験しなかったという事は、これまで例年させていただいていた セミナー講師の機会も失ってしまった今年、オンラインによるセミナー講師の機会を戴き ました。正直な話、ソリューション、プラットホーム、シンクタンクなどのカタカナ言葉に とても疎く、そうした私に務まるのだろうか?という思いはあったもの2年一時帰国を見 送っているという事はガーナでおこなっている活動を自らの言葉で紹介する機会がなく、 他者と比べる気持ちはないものの、また「誰一人取り残さない授業」を実践するもののその 自分が取り残されてしまっているのではないか?という不安さえ生まれました。そうした 中、数年前にガーナに所縁のある女性と知り合い、当時学生だった女性が勤めている会社の イベント企画のスピーチ依頼が入ったのです。イベント趣旨は、アジア・アフリカ各国で活 躍する人や多文化共生を実践している人にスピーチをしてもらい多文化共生の魅力を発信 するというもの、とても素敵な企画に胸躍りカタカナ言葉に疎いものやってみたいと思い 依頼の返信をしました。スピーチで語ったのは、工作手芸を通して想像する楽しさを知って ほしいという想い、そろばんの計算力をつける授業の取り組みでは、そろばんを教えるきっ かけとなった子どもの「トシコ、10がわかったんだよ。10がわかったんだ。」と言った 時のうれしそうな顔が今でもはっきりと覚えていること、たくさんの本に触れてもらう取 り組みでは「地球に支えがないと落ちちゃうから支えが地球にはあるんだよ。」と真顔で言 った中学生の話しをしました。たくさんの本に触れることで知らなかった世界の事が知識 として入る、そうした想いやきっかけなど含めて語らせていただきました。作成した原稿は インクジェット切れだったため掠れて印刷され、印字がうまくされず手書きで原稿を書く という直前にアクシデントがあり、また目の前に人がいないのに話すことに慣れていない こともあり百点満点のスピーチとは言えないけれど、言葉に出すことによって改めてピュ アな気持ちになることが出来ました。そしてスピーチの最後に話した「事を起こすのに遅い ということは決してない。」という事も改めて実感しています。私自身の海外渡航デビュー が30歳になってから、そして今建設中の図書館も活動当初より思い抱いていた夢の図書 館が10年の月日経て建設できる喜びとともに、スピーチでは語らなかった多文化共生の 難しさも乗り越え、一歩また一歩と進んでいこうと思えるのでした。
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                           2021/08/11 ガーナ挨拶No38
                              スプートニクガーナ

国分敏子

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