NEWS | 2024/12/01 | 

【ガーナより】No.77

アラサがハマターンを連れてくる

~国籍、老若男女問わず誰もが関心を持ってすごす12月~

 

乾いた風が吹く土曜ぼ昼下がり、この風はハマターンを呼んでくる風なのだろうなと感じています。先日、アラサと呼ばれる実が売られているのを目にしました。見た目は日本の枇杷に似ています。しかし、皮が硬くとても苦いのです。初めてこのアラサを目にした時「 ガーナでも枇杷が売っているんだ。」とうれしくなり、買ってはみたもの、表面は硬いし苦いしで、話しのネタにはなるけれど決して二度と買わない実になったのです。このアラサが本格的に出廻って来るのがクリスマスの時期です。クリスマスあたりからハマターンが強くなってくるのです。 雨がハマターンを連れてくる」と言う方もいます。確かにこの時期、大雨が降った数日後に視界が白くなり、部屋の床はスルスル滑るほどの床になっているのです。ガーナで生活している邦人それぞれハマターンの訪れ方の言い方が違っているのも面白いものがあります。私は「 アラサがハマターンを連れてくる」と表現しています。そんな季節を感じるガーナ生活14年です。今年は選挙年で来週の土曜日が選挙日です。11月の週末はあちこちで政党デモが行われ、つい先日は政党デモ隊の気分が高揚した群衆に巻き込まれとても怖い思いをしました。同じTシャツを着て政党の旗を振り、爆音の中でブブゼラを鳴らし歩く集団をタクシーの中で一行が過ぎ去るのを待ったわけですが、乗っていたタクシーの窓ガラスを叩かれ、ロックの効かないドアを力の限り抑えていたのです。決してこの集団の誰ひとりとして目を合わせないようにしていました。また、つい数日前の出来事では、市民の足TROTROと呼ばれる乗り合いバスの料金回収係が政党ポロシャツを着ていたのですが、途中からの乗客がその政党の支持者でした。メイトと呼ばれる料金回収係に「 おれも支持者だ」と言わんとばかりに拳を揚げ大きな声で候補者の名前を連呼し唄い始めました。異様ともいえる光景でした。しかもその乗客は乗車代を払うことなくメイトの肩を叩き降りて行ったのです。政党応援ロング車が政党応援ソングを爆音で流しながらやってくると、2~3歳児くらいの小さな子どもも身体を揺らし踊ります。中学生くらいの少年は、まるで推しのタレントを見るかのように爆音を流しているロング車に手を振っています。老若男女問わず誰もが関心を寄せるのが選挙なのです。日本とは違います。政権が変わると制度が変わることがあります。政権が変わらなくとも大臣が変わるだけで全ての事が止まることもあります。4年ごとに行なわれる選挙、8年続いた政権がどう変わるのか?外国人である私はただただ静かにこの時期を静かに過ごすのみなのです。しかし、ガーナで生活する全ての外国人にもこの選挙は大きく関わってくるのです。無関心ではなく大いに関心を持ってこの選挙結果を待ちます。

                           2024/11/30 ガーナ挨拶No77
                              スプートニクガーナ

国分敏子

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