NEWS | 2025/05/02 |
【ガーナより】No.82
そろばん教室が再び動き出した時、忘れてはいけない初心
このスクールバケーション中に、2022 年 3 月 12 日を最後に閉室となっていたそろばん教室が再開しました。2学期となる2月3月と6年生対象にしてじっくりと繰り上がり繰り下がりを指導してきて、私自身てっきり 6 年生中心のそろばん教室となると思っていたら、実際に登室してきた 6 年生はわずか 2 人、他は小 3 から中 2 と幅広く初日から
10 人以上も集まりました。初日の様子を見に来た学校創設理事は「これでは少ない!!そろばんをやれば頭が良くなるんだ!!次回はもっと生徒を呼ぶ!!」と息巻いていました。そろばん教室を始めた 10 年以上も前は、村に初めてそろばんを取り入れた為理解を得られませんでした。それが今では、大学進学者や他国への留学者を出したことにより「悪な物」から「頭の良い人間を作る道具」という考えに変わったことはたいへん喜ばしいことです。そろばんを一生懸命習い、これまで出来なかった計算が出来るようになった喜びを体験する子ども、そしてその計算の第一歩ともなる数の理解「10 がわかる喜び」をこのそろばんを通してそろばんを習う全ての生徒に体験させたいと改めて思いました。「トシコ、10 がわかったんだ。10 がわかったんだ!!」今から 10 年以上も前に棒を書いて計算していた男子中学生の言葉です。その彼はデモンストレーションで見せたそろばんでの数の数え方を見て 10 がわかった喜びを私に伝えてくれましたが、彼が後のそろばん教室に通う事は一度もありませんでした。しかし彼の言葉があったからこそ「ガーナでそろばんプロジェクト」が生まれ今日に至るのです。このプロジェクトでは、8 級レベルの練習課題をクリアした生徒に「マイそろばん」としてテプラで名前を付けた貸し出しでは無い自分だけのそろばんを贈ってきました。これまで 12 名の生徒がこの「マイそろばん」を手にしています。再開したそろばん教室でこのマイそろばんを子どもが手に出来るようまだまだ踏ん張り続けます。
2025/4/30 ガーナ挨拶No82 スプートニクガーナ
国分敏子