NEWS | 2025/06/04 |
【ガーナより】No.83
食の異文化が根付くには?~100 年先も愛され続ける味とは?~
私がガーナに住み始め生活の基盤が整え出した 2011 年の初め頃は、今の様に洒落たカフェはあまりありませんでした。今やお洒落なカフェがたくさん出来てきてクレープやワッフル、飲み物メニューはスムージーやオレオをふんだんに使った甘いものまでたくさんあります。当然ながら値段はガーナのローカル価格よりはるかに高く、オーナーは外国人で働いているスタッフはガーナ人です。数年前、カフェが点在するエリアで入ったお店注文したワッフルがナイフで力いっぱい切らないと硬くて、それより少し前に注文して食べることが出来なかったハンバーグを思い出しました。そのハンバーグは小判型で厚みがあり黒く充分過ぎるほど焼いてあり、フォークを刺すのもナイフを入れるのも力いっぱい入れないと出来なく食べるのを諦めたのでした。硬すぎるワッフル硬すぎるハンバーグとどちらも本来美味しいものであるはずなのに間違った調理法が教えられていると思ったのです。ガーナの食文化で柔らかい物は好まず硬い物を好む傾向があります。このようなことがワッフルにもハンバーグにも影響しているのかなと、以来私の中でガーナのワッフルとハンバーグは硬すぎて食べられないと思うようになったのです。その思いを数年持ち続けていたつい先日の事、外国人やガーナの富裕層で賑わうカフェでワッフルのモーニングプレートを注文しました。きっと硬いんだろうな。焼き方を注文した目玉焼きもきっと白身部分がカリカリに焼けて来るのだろうなと心構えをして出てくるのを待っていたら、運ばれてきたプレートを見て(これは間違いなく美味しいワッフルと目玉焼き)と思ったのです。力を入れずに切ることが出来たワッフルはとても美味しく、あの時外国人で賑わうカフェで食べたワッフルはいったい何だったのだろうと思い返しました。先月 GEISHAYAKI のポップアップ販売してきた中で「GEISHA YAKI じゃ何なのか分からない。」「外国の文化はガーナ人は受け入れない。」など売れ行きが思わしくない中で言われた言葉はとても辛いものがありました。ガーナローカルフードよりも値段が高く、外国人や富裕層の集まるカフェで GEISHA YAKI を展開したのなら、きっと大人気メニューとなることでしょう。しかし『ガーナの国民食に 100 年先も愛される GEISHA YAKI を目指して』と掲げ、生地も餡も改良しガーナ人の好みに近づけた GEISHA YAKI だからこそ、投げられた言葉は辛いものが有り、それでもガーナに根付かせたいと強く想い続けていたのです。その想いを持ち続けていた中で出逢った本当のワッフル、100 年先もこの味は根付いているのだろうか?と GEISHA YAKI と比べられずにはいられませんでした。GEISHA YAKI のポップアップ販売は今後も続ける意向です。
2025/5/30 ガーナ挨拶No83 スプートニクガーナ
国分敏子