NEWS | 2019/02/20 | 

【2019.02】ガーナより

それでも、パンドラの箱にかかった錆びついた鍵を開ける人であり続けたい

ガーナはそろそろ雨期に近づいてきたかなという感じの空が時折見られるようにな りました。年末、ハマターンの時期、仲良くしてもらっていた元隊員さんがガーナにプ ライベートでやってきました。ガーナ人に対し、本気で腹をたて怒り泣く経験をした隊 員さんと久しぶりにガーナの熱いトークを交わしました。職種が教育関係とあってガー ナローカルネタはもちろんのこと、教育話もしました。「わたしたち(青年海外協力隊 の教育関連)がやっている活動は、ひょっとしたら教えている子どもたちに残酷なこと をしているのではないか。」からこの話は始まりました。「村の子どもたちは、将来都会 に出て仕事をする子どもは多くはなく、そうした子どもたちにパソコンやその他教える ことによって、学んでもそれが生かせない環境にいる子どもたちに、その環境下に置か れていることをただ残酷につたえているだけではないか。」と彼女は続けました。とし 姐と私を慕ってくれ、笑う時はガハハハッと笑う彼女の眼はどこか憂いでいました。そ んな歩むことをやめてしまうようなことを言ってしまったら、そんな想いで「直ぐに 結果が出ないのが教育だよね。」と返した後、以前体験した話をしました。今から6~ 7 年前、様々な理由から村に行くのがつらく感じていた頃、当時まだ舗装道路が開通し てなく赤土の埃舞うアフラオロードで途中通過するアカチから乗ってきた男性に「こん にちは」と声をかけられました。私の顔を見てアジア人蔑視の言葉を言うでもなく日本 語の挨拶。うれしくなり、どうして日本語の挨拶を知っているのか聞きました。すると、 アカチの当時の隊員さんから日本語の挨拶を教えてもらったというのです。この隊員さ んの後の後が、私をとし姐と慕ってくれている彼女なのです。教育は教える側も学ぶ側 もあきらめてしまってはいけないものだと背中を押してくれる事例にも感じます。
Education is most powerful weapon which you can use to change the world.
教育とは世界を変えるために用いることができるもっとも強力な武器である。 ネルソンマンデラさんの言葉です。大好きな言葉でもあります。 私は、子どもの未知なる可能性や将来の選択肢はパンドラの箱にたくさん詰まっている と考えます。しかし、長いこと開けられなかったパンドラの箱には錆びついた鍵がかか っています。その錆びついた鍵を開ける人であり続けたい。教育という手段を使って開 け続けたい。村の子どもたちを井の中の蛙にたとえるなら、誰よりもキャッサバやメイ ズと呼ばれるとうもろこしの上手な植え方を知っていてももっと外へ出ると未知なる 世界が広がっていることを教えたい。私のように外国人を肌の色やアジア人蔑視で呼ぶ のではなくあいさつがあることを伝えたい。錆びついた鍵を開けるのは私。パンドラの 箱のふたを開けるのは子どもたち。ふたを開けると未知なる世界が広がっていることを 体験してほしいと願い続け、錆びついた ka 鍵を開け続けます。

                           2019年2月16日 ガーナ挨拶No23
                              スプートニクガーナ

国分敏子

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