NEWS | 2022/02/03 |
【No.43】ガーナより
母校の閉校に思う事
~日本の抱える課題とガーナが抱える課題~
2022 年 1 月、新しい年とともに新学年度が始まりました。コロナ前までは9月が新学年度の始まりでしたが、去年の1月に学校再開になったのをきっかけに1月が新学年度の始まりとなったのです。1月、進級した子どもたち、新入してきた子どもたちで学校が始まった頃は先生も生徒も落ち着きを見せないでいましたが、一月後半それぞれのクラスはようやく落ち着きを見せてきました。クラスにより在籍する生徒数は異なりますが、幼稚園児クラスから3年生までが一学年30人前後、4年生から中学3年生までが1学年25人前後で構成されているガーナの学校の平均的な生徒数です。この平均的生徒数を持つ公立の学校が歩いて数分としないところにあります。ガーナは都市部も農村部も学校が多くあり
ます。子どもの数が多いから学校が足りていないといっても過言ではないのです。少子化という言葉を知らないガーナは学校不足という問題を抱えているのも否めません。ガーナの抱えている問題とは反対に日本は少子化、そして少子化による学校統廃合が、小学校はじめ中学校高校と各都道府県に多くありたいへん驚きました。驚きとともに自分の母校である久喜市菖蒲南中学校が統廃合により51年の歴史とともに今年3月で幕を閉じることになりとても悲しい思いでいっぱいです。統廃合は以前より聞いていました。一時帰国の度に同じく母校の栢間小学校とセットで授業をさせてもらいました。母校の生徒たちに、小学校の卒業文集に書いた「トンガ王国に行く」という夢を何十年経ってから叶えたことやもちろんガーナの話しをしました。最後の授業はコロナになる前に 2019 年です。“また来年”があるものと思っていました。しかし“また”は来ませんでした。かけがえのない義務教育の中学校の時の恩師がいたからこそ今の私はいます。これは母校の先生方に伝えたことです。さてガーナの話しに戻ります。ガーナは、全ての生徒が中学校に進めるわけでなく、数人はドロップアウトしてしまいます。勉強に追いつけない、授業料が払えないなど理由は様々あります。ガーナの抱えるドロップアウト問題、日本の抱える少子化による統廃合は私に解決できる問題ではありません。私に出来ることは目の前にいる生徒と真摯に向き合っていくことです。
2022/01/27 ガーナ挨拶No42 スプートニクガーナ
国分敏子