NEWS | 2023/05/04 | 

【カーナより】No.58

ボタンをかけてあげる人にはならないこと。る


~私が出会った言葉でけっして忘れる事は無い言葉~

 

村の学校の短い2学期が始まりました。短い中学生活を楽しむ3年生で私がずっとやり たくていたフェルトとジッパーを使ってペンケースを作りました。中学生に人気がある授 業は裁縫です。男女問わず「ソーイングがやりたい。」とうれしい事を言ってくれるのです。 何度指導しても長い糸を腕めいいっぱい伸ばしては折り曲げ縫っていくのです。縫い目は 細かったり大きかったりとそれぞれですが、縫っている時の顔も完成した作品を見る顔も みんな良い顔をしているのです。そうした中、周りよりも少しばかり縫うのが遅い子どもに 対して手を貸したいと思ったことが今回ありました。すぐさま差し出した手を引っこめま した。「私、ボタンをかけてあげる人になっちゃう」そう思ったのです。このボタンをかけ てあげる人の話しをスプートニクの寿限無ブログだったのか?SNS だったのか?忘れてし まいましたが以前書いたことがありますが、今回改めて書きたいと思います。今から約20 年、障害児や養護施設や母子保護シェルターに入っている子どもたちが安心して社会参加 できる目的で設立された団体に所属し、就学前の自立発達遅延児が通う施設にボランティ アで行っていたことがあります。これはこの施設の子どもたちを TDL に引率するために、 事前に子どもとマッチングされお互いの慣れの為に通っていたのです。時は日本中を震撼 させた大阪の学校で起きた事件の頃です。たとえ所属がはっきりとしているボランティア 団体であっても外部者への対応が厳しい中で、受入れを賛成してくれた先生がいました。そ の先生からは、自分の気持ちが伝えられない子どもへの対応はじめ色々な事を教えてもら いました。その中でも常に子どもを接する時に忘れずに持ち続けているのが「ボタンをかけ てあげる人にはならない。」という事です。なかなかボタンをかけることが出来ないでいる 子どもに対し、じれったくなり手を貸したくなります。「ここにボランティアで来る人の大 半は、そうした子どもを見てボタンをかけてあげてしまうんです。國分さんはそれをしない で待ってくれる人だと私は思うんですよ。」そう先生が言いました。これは、発達の遅延関 係なく子どもと接する時にはとても大事な事だと思います。見ていてじれったくなり、つい つい手を貸したくなってしまう事は、今回の事のみならずいろんな場面であります。ボタン をかけてあげるのではなく、子どもが自らの手でやり遂げるのを待つ大人でこれからもあ り続けたいと思います。※この文(想い)をどこかで書いているのですが未だに思い出

                           2023/4/29 ガーナ挨拶No58
                              スプートニクガーナ

国分敏子

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