NEWS | 2023/09/16 | 

【ガーナより】No.62

4年ぶりの一時帰国に思うデジタル社会と技術の発展

今夏、4年ぶりに日本に一時帰国しました。久しぶりの帰国の中で、進化するデジタル社 会に戸惑う事が多くありました。2019 年夏はまだスーパーの会計も最後の清算のみ自動 精算だったものが、今では最初から最後まで自動精算で自動精算のレジが何台も並ぶ店で ある物語を思い出しました。ミヒャエル・エンデの『モモ』に出てくる灰色の男たちです。 人の時間を奪うために働く灰色の男たちと重なって見えたのです。人間がデジタルに使わ れる時代になってしまったのか?そう感じていた時に、このデジタルの時代は良いことも あるのだな?と感じたことがありました。今回この一時帰国中、ガーナ高校生の日本研修ツ アー2週間をフルに添乗する機会に恵まれました。このガーナ高校生の日本研修ツアーは 最初の1週間は東京に滞在し、原宿スーパーよさこいに参加するために演舞練習がほぼ毎 日のスケジュールに組み込まれる中で、都内の学生との交流会がありました。この都内の学 生との交流の中で、翻訳アプリがガーナの学生と日本の学生との間で大活躍してました。ガ ーナの学生に至っては買い物をする時などにも翻訳アプリを使い、自分の伝えたい事をし っかりと伝えていたのです。自動精算で幾度と無くオロオロとしてしまい、その中で一度だ けエラーを出してしまった時に、その店の従業員に不正を働いたかのように問われ気持ち の良い思いをしないでいたので、なんでもかんでもデジタルにする必要はないんじゃない か!!と思ったことがあるなかで、デジタル化は言語の違う相手に伝えたいことを伝える コミュニケーションツールをして良い面があるのだなと思ったのです。しかしながら、やは り私たちは生身の人間であるから接客業に関してはお客様は神様ですの時代ではないけれ ど、接客業にはデジタルではなく人の心が必要だなと思ったのです。タッチパネルで注文を する、タッチパネルで注文したものをロボットが配膳しにやってくる。QR コードを読み込 んで注文をする。人と人が接触しない非接触接客に驚く中、こうした事が実現できるのは、 人間が研究し創り出していくものなんだなと改めて感じたこともありました。ガーナ高校 生の日本ツアーは東京滞在を終えた後、福島県猪苗代に場所を移し、高校生との交流やホー ムスティを行なう中で会津大学構内を見学する機会がありました。日本初のコンピュータ ー専門大学として開設された会津大学には留学生も多く在籍し、今現在アフリカでは7か 国から学生が学んでいるという話しを聞き驚きました。ガーナ高校生の中には、この会津大 学に留学したいと感想を持つ生徒も出てきたことはうれしく思ました。思い返せば、こんな 場面もありました。猪苗代最後の夜にお別れパーティーが開催された時に、ガーナ高校生が 原宿で踊ったよさこいを披露したいという事になり、突然の事で音源は私が持っている友 人が撮影した動画しかなく携帯からの音源をマイクを通して流すものの会場全体に音は響 かないでいたのですが、ガーナ高校生がブルートゥースを使う事を提案しその作業を行な ってくれ会場全体に音を流すことが出来たのです。デジタル社会と技術の発展にしっかり と子どもたちは順応し、できていないのは自分であると思い知らされたのです。
                           2023/9/4 ガーナ挨拶No62
                              スプートニクガーナ

国分敏子

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