NEWS | 2017/10/27 | 

【2017.10】 ガーナより

交通事故に遭って改めて痛感した、生きていきたいと思うこと
~ガーナの交通事情と病院事情に絶対にここでは死なない~

ガーナに戻って早2か月経ちました。戻ってきてから八方ふさがりの中で生活している ように感じていた日、交通事故に遭ってしまいました。間もなく日が落ちようとしていた時 にトロトロの陰から飛び出してきた大型スクーターにぶつけられてしまいました。ドンと いう音と共に顔面に強い衝撃を受けて道に倒れてしまいました。夕方のラッシュ時はアク ラ市内どこも酷い渋滞となります。ガーナは、ドライバーもライダーも日本では考えられな いような運転をします。ガーナに住んで危険運転の車を目撃したり、また村の行き帰りに乗 ったトロトロが猛スピードで運転をしたり、他の車をあおって運転したりと無事に家に着 いたことに胸をなでおろすことも多く経験してきました。だからこそ、車やバイクには十分 気をつけていたのです。しかし、そうした中でも事故に遭ってしまいました。顔面に強い衝 撃を受けたのにも関わらず、顔や頭は無傷でした。しかし、左側からぶつけられたこともあ り左半身の打撲や肘の傷はかなりのものとなってしまいました。事故が起きて病院に連れ て行ってくれたのは加害者であるスクーターのライダーと同乗していたポリスでした。ガ ーナではポリスが移動するのにオートバイやスクーターを止めて目的地まで乗せていって もらう事が多々あります。バイクタクシーではありません。二人の関係性を聞きはしません でしたが恐らく前途の関係だと思います。最初に連れて行ってもらった病院では、事情聴取 と問診、そしてヘルスカードを作るためにどの病院でも最初に行う身長、体重、体温、血圧 を計るだけのものでした。平熱36度以上はある体温は35.7度でした。これは体温計が 壊れていることを意味しています。左ひじは擦りむいて血が出ているのにも関わらず手当 てはされませんでした。次の指示があるまで待たされた場所は、通路に出された寝たきりの 患者がいる場所でした。ボコボコボコと酸素吸入器なのか音が出ている器具をつけている 紙おむつをつけた患者。指を切ったのか血がにじんでいる布を手に巻いて往診室に入る男 性。不安でいっぱいでした。唯一の救いは、事故にあったことを連絡して駆けつけてくれた 日本人女性が一緒にいてくれたことでした。最初の病院では、破傷風の注射切れ、レントゲ ンが故障していて使えないため他の病院に行くように指示されました。ガーナの病院はお 金が無いとどんなに重症、重体であっても診察を受けることは出来ません。料金先払い制で す。最初の病院の診察代は加害者が払いました。次の病院では日本人女性が立て替えてくれ 診察を受けることが出来ました。もし日本人女性が駆けつけてくれなければ私は診察を受 けることが出来ませんでした。後日、ライダーとポリスが私の様子を聞きに日本人女性のい る会社を訪れたそうです。そこで、女性がかかった治療費と薬代のレシートを見せたところ 金額に驚き(なぜ?見せるんだ。オボロニ(外国人)だから助けたのに・・・)となったそ うです。オボロニだったから病院に連れて行ったとも取れる言葉。病院に連れて行ってもら えたことは有り難いけれど、どこか悲しくもなりました。そして改めて思いました。絶対に ここでは死なないと。

10月23日 国分敏子

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