NEWS | 2019/12/17 |
【2019.12_02】ガーナより
考える力を養える物作りの授業を目指して
~様々な材料に触れ、使い方や工夫して考える力が身につく~
日本に一時帰国した際にガーナで手に入らない工作手芸の材料をたくさん仕入れて来ます。 しかし、ここ最近のガーナは首都ガーナでは、値段はかなりするのですが日本の手芸屋さんと変 わらない材料が手に入るのです。工作や手芸の授業をする際に悩むのが、その材料の使い方で す。数年前にカラー軍手一人一組を使って(軍手で作るうさぎ)を作った時の事、想定していた事が 起きました。軍手の指部分を切るように指示したものの、カラー軍手の指は切らず内側に押し込 んで作業する生徒や材料を手にしたとたんに具合が悪いからと授業をせずに帰ろうとした生徒も いました。初めて目にした色鮮やかな軍手の指を切る事なんて出来なかったのでしょう。そうした 生徒に私は 1 セディを要求しました。1 セディでは安すぎるけれど要求しました。しかし、その要求 を受け入れ 1 セディを払おうとする生徒もいました。そこまでして軍手を手袋として使いたく切りた くはなかったのでしょう。しかし、私は材料を寄付するのでもなく販売するのでもなく授業の材料と して使ってもらいたく軍手の指を切らせました。材料のみならず、使用する道具においても様々な ことが起きます。針を使った授業の時です。使った針が 1 本見当たらず、その針山代わりのスポン ジに針がないのでその針山を使っていた生徒に探させました。赤土の床を指で掘る生徒、そして 教室から出ていきました。しばらくすると走って戻って来て、黄色と青の横ストライプの制服の青い 布のベルト部分に針を刺してきて「誰かが針を持って行っていたの。」と私にその針一本を返しま した。そこまでして嘘を言わなくともいいのに。すべては物が十分にない貧しさからこうしたことに なるのか?ハサミを使った授業の時にも似たようなことがありました。材料、道具が家になく手に 入らないものだから起こる出来事があると、今度の授業でもまた何かあるのではないか?と正直 授業を行う際にビクビクしながらも予防策と起こった時の解決策を常に考えてしまうのです。しかし、 一番の想いは(様々な材料に触れて、道具の使い方を知り、工夫して考える力が工作手芸から身 につく)というものです。授業時間、学年層、生徒数これらを毎回考えながら準備をしている時から 授業のイメージが湧いてきてワクワクのほうがビクビクと疑う気持ちより大きいのです。
軍手 1 枚と輪ゴムとコットンを使って切らずに縫わずに作れるマスコットを中学 3 年生が作りまし た。(2019/9/12)
同日、中学 1 年生のクラスでは、夏に岐阜県多治見市の公民館で開催されていた手作り絵本展 で教えてもらったはらぺこ青虫を工作用紙で作りました。動く目玉は日本で購入したものですが、 工作用紙は首都アクラでも購入可能な工作用紙です。
プラスチックコップを使った工作です。目玉ビーズと両面テープ以外はすべてガーナで購入した材 料です。中学一年生 (2019/9/19)
久しぶりに低学年で授業を行いました。折り紙をあらかじめ切って両面テープをつけておきました。 糊やボンドを使うのは高学年から中学生でも難しくどんなに「つけすぎない」と指導してもビチャビ チャになるまでつけるので、両面テープを使用しました。1 枚の折り紙を 6 本に切りそれを 3 色分 配る。ネックレスになるように最後のつなぎ合わせはまた別にキラキラしている折り紙を 1/6 枚配 りました。折り紙で作ったネックレスとは別に手にしてる折り紙はこぶたです。この日、3びきのこ ぶたの絵本を読みました。発展型授業(学習)の一環として折り紙でぶたを折り、(こぶた たぬき きつね ねこ)の歌もうたった授業となりました。 小学3年生 (2019/10/10)
以前よりおこないたかった工作に取り組むことが出来ました。万華鏡です。小さな穴の中に繰り広 げられるキラキラを子どもたちに伝えたかったのです。小学校の時の遠足で行ったお土産屋さん には必ずと言っていいほど万華鏡がありました。最近ではオイルカレイドスコープというとても美し い万華鏡があるようですが、その美しさは真似できないけれど、三枚のアルミホイルの鏡に映し出 される輝きの世界を子どもたちにも自分の手で生み出してもらいたいとずっと思っていました。キ ラキラの素となる材料を何に入れればよいのか?適しているものは何か?長い事探していました。 それはとっても身近なところにあるもので代用できました。ピュアウォーターの袋でした。またここ でもボンドやセロファンテープの使用で悩みました。セロファンテープも適量を指導しても長く切る、 返却されないなどの悩みです。代用として輪ゴムで留められることに気づき輪ゴムを使用すること にしました。この万華鏡作りでも(どうしてこう見えるのだろう?)と、輝きの素が少しでも移動した だけで見える模様が変わってくることを考えてもらいたいと思って取り組んだ工作です。
子どもたちはキラキラの世界を楽しんでいました。中学 3(2019/10/3)中学 2(2019/10/24)
毎年11月におこなっているのがクリスマス工作です。クリスマスの1か月前ですが12月は期末テ ストがあるため11月におこなっています。今回作ったのは数年前にも取り組みしたことのあるマガ ジンツリーです。折る作業の工作は、しっかりと折ることをしないときれいな仕上がりになりません。 またこうした折る作業の工作の時ならず、毎回見られる光景で他者にやってもらう生徒がいます。 お願いしたクラスメイトの手元を見て自分も出来るように習得しようとする態度ではなく、憮然と待 つ態度に(なぜ自分でやらない。見て覚えようとしない。)といら立ちが先で怒ってしまいます。自 分で作ってこそ作る喜びが生まれるのではないでしょうか。
小学 6 年生(2019/11/7) 中学 2 年生(2019/11/11)
2019 年下半期も、子どもたちに自分の手で生み出す作品がその過程を含めて楽しいものであり、 そして考える力を養える物作りを意識して取り組んできました。2020 年も子どもたちがたくさんの 物作り体験ができるよう取り組みしていきます。
ガーナ挨拶No30 スプートニクガーナ
国分敏子