NEWS | 2022/09/06 | 

【No.50】ガーナより

平和な時代に戦争の悲惨さを想像して恒久平和を考える

~ひろしまのピカの絵本を図書館に置いている理由~

 

2022 年 8 月、世界で初めて原子爆弾が広島に落とされ、その 3 日後に長崎に落とされ て 77 回目の暑い夏となった日本の夏、私は今が一番過ごしやすい時期であるガーナで平 和式典のニュースをインターネットで見ました。原爆が投下されたこの時期だからこそ平 和について考える記事がネット上にはたくさんありました。原爆とは無縁とも言えるここ ガーナで、ずっと恒久平和学習をいつかはやりたいと思い、実現しないでいる中で「ひろし まのピカ」の絵本を学校の図書館に置きました。この絵本は何年も前に一時帰国した際に学 習教室で「ガーナから来たサモアンのお話し」という時間の中で、ガーナの子どもの話しは もちろんの事、学習教室の先生と子どもたちに平和について考える機会を作りたいという 打ち合わせの中でこの 1 冊を選び、その後ガーナに持って帰って来ました。日本語の絵本 なので読めることは出来ませんが、絵から十分に原爆の恐ろしさは伝わってきます。話しは 少し逸れますが、サッカー選手が対戦相手のサポーターから「フクシマ」となじられたとい うニュースが過去にありました。これに似た体験を私はしています。執拗に「中国人」と揶 揄われ耐えられなくなり「私は日本人」と言ったら中指を立てて「ヒロシマ!ヒロシマ!」 と何とも言えない怒りよりも悲しみに近い感情を持ちました。「ヒロシマ」と私に言ったガ ーナ人は広島に原爆が投下されたのを知るも悲惨さを想像することは出来なかったのでし ょう。前職の学童に居た時は「はだしのゲン」の絵本で乳房を出し逃げ惑う女性の絵に笑う 児童がいました。悲惨さを想像できない児童に対し激しく怒りました。この夏、改めてこの 「ひろしまのピカ」を子どもたちに伝えるため、絵本のキャプションを作りました。
一文です。
People were going about their daily lives as usual until the moment their bodies were burned by the atomic bomb.
Imagine that,……The skin on their bodies melted from the heat rays, and the people who died in search of water experienced a horrible hell. 戦争を知らない世代が戦争の悲惨さを伝える学習をするのは、私自身が想像力を持って伝 えることが大切なのかもしれません。
                           2022/09/01 ガーナ挨拶No50
                              スプートニクガーナ

国分敏子

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Share on Tumblr
gotoTop